【栄養士監修】ターメリックとウコンの違いとは?種類と効果や効能、使い方も解説します
監修者:五十嵐 渚
栄養士。東京家政大学・家政学部栄養学科栄養学専攻卒業後、2021年よりケータリング会社にて栄養士・フードスペシャリストとしてメニュー考案やアレルギー対応等を担当
健康食品やサプリにウコンが入っていたり、スパイスでよく見かけたりする黄色のターメリック、どちらも聞いたことがあるように思うけれど、実際にはどう違うのかをご存じでしょうか。
今回は、ターメリックとウコンの違いや、色々あるウコンの種類、その選び方などについてご紹介します。
ターメリック=ウコン?
実は、ターメリックとウコンは基本的に同じものと考えることができるのですが、ウコンには非常に多くの種類があると言われており、正しくはターメリック=秋ウコン(ウコンの中の1種)となります。
ウコンはショウガの仲間で、世界中に広がるその種類は50種とも言われています。日本では沖縄など温かい地域で栽培されていることが多いウコンですが、国内で栽培されているのは主に3種となります。
ウコン
世界に50種以上あるショウガ科ウコン属の植物
ターメリック
ウコンの1種「秋ウコン」の英語名
ウコンの種類と違いとは?
ウコンそのものは、世界で約50種類以上もあると言われますが、日本でなじみが深いのはそのうち次の3種類です。
- 春ウコン
- 秋ウコン
- 紫ウコン
健康効果抜群!春ウコン (キョウオウ)とは
「春ウコン」は英語では「Wild turmeric(ワイルドターメリック)」*、沖縄地方では「春うっちん」とも呼ばれています。
春に花が咲くことから、春ウコン(ハルウコン)と呼ばれ、苦味や辛味があり幅広く使用されています。
*学名はCurcuma Aromatica
ウコンとして使用する根茎は淡い黄色をしており、私たちの日常生活の中でもスーパーや八百屋でなどでよく見かけるショウガのような色合いです。
春ウコンにはいわゆる"ウコン"に期待されるクルクミンの他に、ミネラルや精油成分が豊富に含まれており、肝臓機能障害、消化器官毅然不能、子宮筋腫、生活習慣病やガン予防にも効果的と言われ、その薬効高さはウコンの中でもトップクラスと言えるでしょう。
二日酔い対策というよりは、健康効果に期待して摂取する方が多いのが特徴です。
胃の救世主。紫ウコン (ガジュツ)とは
葉脈に紫色の筋が見られることから、紫ウコン(別名:ガジュツ)と呼ばれています。
苦味は強く、古くから胃のもたれや消化不良によいとされており、わたしたちが薬局などで手に取る胃薬にも使われています。乾燥させたものを生薬でガジュツと呼びます。
便秘、老化、生活習慣病にも!?秋ウコン(ターメリック)とは
ターメリック(秋ウコン)は「食物繊維」を豊富に含んでおり、その他にも「クルクミン」や「タメルリン」という成分を含んでいます。
食物繊維には女性に多い悩みである「便秘」や「老化」、クルクミンやタメルリンには中年期以降に多くの方のお悩みとなる「生活習慣病」の予防効果に期待ができます。
女性に多い便秘ですが、便秘が続くと肌トラブルを引き起こす原因にもなります。「最近肌にハリが無い」「ニキビやくすみが気になる」と言った状態になることも。
食物繊維を摂取することで、有害物質を体外へと排出する働きを促し、さらには、便秘が解消されると、肌の調子も良くなり、老化を防ぐ「アンチエイジング」の効果にも期待ができるでしょう。
また偏った食事バランスや運動不足によって引き起こる「生活習慣病」の予防としては、クルクミンやタメルリンという成分が重要になります。
クルクミンには「悪玉コレステロールの吸収を抑止、大動脈へのコレステロールの蓄積を抑止する」働きが、そしてタメルリンには「糖の分解や吸収を助ける酵素を抑制」する働きがあります。
それぞれの成分の効能は以下の通りとなります。
クルクミン
・悪玉コレステロールの吸収を抑止
・大動脈へのコレステロールの蓄積を抑止
タメルリン
・糖の分解や吸収を助ける酵素を抑制
これらの働きによって、生活習慣病を予防する効果に期待ができます。
ウコンには、二日酔い防止の他にも、美容や健康にも効果が期待できるといったメリットがあるんですよ。
ご愛用者様からも嬉しいお声をいただいております。
今までもオーガニックの春ウコンを最初は錠剤で続けていましたが、もっとナチュラルな方がいいと思い100パーセントの粉末にしたのですが中々飲みづらく、、。やっと美味しく錠剤に固める際の添加物もない、しかも安心の甘みで美味しく摂取出来る特別のウコンに出会え嬉しいです!
気になるターメリック(秋ウコン)の香りは?
ターメリック(秋ウコン)だけをそのまま食べることは少ないかもしれませんが、ターメリック(秋ウコン)は、やや土の香りがして、大地の恵みを感じる香りと言えます。
ハーブとも呼ばれる、香り高いバジルやミントは「葉」の部分に対して、ターメリック(秋ウコン)は「根茎」と呼ばれる根の部分です。どちらかというと、私たちが食卓で目にする機会の多いダイコンやニンジン、ゴボウ、カブなどの根菜と近いのです。
根菜類は土の中で育つ野菜ですが、ターメリック(秋ウコン)も土の中でしっかりと土の栄養を補給して収穫されています。そのためか、ターメリック(秋ウコン)からは大地を思わせるような香りがします。
ターメリック(秋ウコン)は、香り立つハーブ類と比べると一概に良い香りとは言えないかもしれませんが、大地からの養分がしっかりとつまった香りです。
ターメリック(秋ウコン)の味とは?
スパイスとして使用されることが多いので香りはもちろん大切な要素ですが、それ以上に気になるのはターメリック(秋ウコン)の味ですよね。
カレーに入っていることが多いので、ピリッとした辛みがあるように勘違いされる方も多いようですが、ターメリック(秋ウコン)には辛さは一切ありません。
実際にターメリック(秋ウコン)のパウダーを直接舐めてみると、やや苦みのある漢方のような味がします。
それもそのはず、ターメリック(秋ウコン)はスパイスとして使用されるほか、漢方薬としても使用されることもあります。
苦みはありますが体にとても良いことから、中国発祥の東洋医学でも欠かせない存在となっています。
まさに「良薬口に苦し」ですね!
ご愛用者様からも飲みやすいとのお声をいただいております。
黒人参茶に興味を引かれて買ってみようかなと思っていたところ、ゴールデンラテという商品があることも知り、美味しそうだなとまずはこちらを購入してみました。牛乳で割ったらとっても美味しく何杯でも飲めそうです(笑)
でも今気に入っているのはお湯割り。ほんのり甘くて飲みやすいですし毎日お通じも出るようになり、続けていきたいと思ってます。
ファーマーズマーケットなどで海外のお客さんに黒人参茶を飲んでいただくと、『earthy』という感想をよくもらいます。「地球」を意味する「earth(アース)」を形容詞にした単語は「土っぽい」と訳され、ワインの味の表現などにも使われるようです。ただ「土っぽい味」だと面白みがないので、私は「大地の恵みを受けた味」と訳しています。(リフェットセレクト 上田)
苦いターメリック(秋ウコン)を摂取しやすくするには?
味や香りにやや特徴があり、そのまま食べると薬のような独特の味で苦手意識を感じることもあるかもしれません。
そのままではなく料理に使用したり、健康食品であれば風味や香りが工夫されたものを選ぶようにするとターメリック(秋ウコン)の味を気にせず摂取することができます。
またターメリックの筆頭成分である「クルクミン」は油溶性で油との相性が良いので、バターやオイルなどと合わせて摂取すると吸収率がアップしますよ!
お酒を飲む人必見!スーパー秋ウコン・沖縄皇金(おきなわおうごん)とは
お酒を飲む人には「クルクミン」という成分を多く含む「秋ウコン」(ターメリック)が向いているといわれています。
「沖縄皇金(おきなわおうごん)ウコン」も、この秋ウコンの一種。長年に渡る研究改良の結果が認められ、2012年に農林水産省への品種登録が実現されています。
沖縄皇金ウコンの成分は?
(左:沖縄皇金ウコン、右:通常の秋ウコン)
「沖縄皇金ウコン」は、通常の秋ウコン(ターメリック)と比べると数倍も大きく育ち、色もより鮮やかなオレンジ色をしているのが特徴です。
成分も通常の秋ウコンと比べ優れていることが報告されています。
秋ウコン(ターメリック)に多く含まれる「クルクミン」は、腸管の上皮細胞で還元されて還元型クルクミン「テトラヒドロクルクミン」となり、胆汁の分泌を促して肝機能を向上させたり、アルコール・アセトアルデヒドの分解を促進するといわれます。
実は「沖縄皇金ウコン」には、この「テトラヒドロクルクミン」が、通常の秋ウコンと比べ22倍も含まれることが分かっています。
お酒を飲んだ後のスムーズな回復にはアセトアルデヒドのすみやかな分解が欠かせないので、二日酔いにも期待できそうですね!
ちなみに、「テトラヒドロクルクミン」は、抗酸化作用が非常に高く、美容や健康の大敵となる活性酸素を抑制してくれます。
二日酔いが気になる男性だけでなく、お肌が気になる女性にもおすすめですよ。
二日酔い防止に効果的な飲み方
「沖縄皇金ウコン」に豊富に含まれる「クルクミン」には、アルコールやアセトアルデヒドの分解の他に、胃の蠕動(ぜんどう)運動を助ける働きも報告されています。
また、クルクミンは脂溶性のため、そのままではやや吸収が劣りますが、食事の油分と一緒に摂ると効率よく吸収されます。
これらのことから、「沖縄皇金ウコン」を飲むなら、お酒の席の前か、食後できるだけ早いうちに飲むのがよさそうですね。
本場沖縄ではスライスした「沖縄皇金ウコン」を焼酎に入れて飲むなどの方法もありますが、生で手に入らない場合は、手軽な顆粒タイプが持ち運びもしやすくおすすめです。
手軽な顆粒タイプはこちら
国産ターメリックと海外産ターメリック、どう違う?
ターメリックは、日本でも古来より「ウコン」として重宝されてきました。着物や骨とう品を包むための風呂敷は「ウコン(うっちん)染め」と呼ばれ、殺菌防虫効果があるとされてきたそうです。
同様に、インドや中国・東南アジア各国でも、文献などにターメリックは度々登場し、珍重されてきたことが分かっています。
では、日本のターメリックと海外産のターメリックは、味・効果などにどのような違いがあるのでしょうか?
国産(日本産)ターメリックの特徴
ターメリックは、日本では暖かい地方での栽培が盛んで、沖縄や鹿児島県での栽培が中心です。
春ウコンや紫ウコンと比べ、根茎を切ってみると鮮やかなオレンジ色をしていて、クルクミンを多く含んでいるのが特徴です。
産地の沖縄では、「うっちん」と呼ばれ、乾燥させたものを煎じてお茶のように飲むなど民間療法の素材として親しまれてきました。
対して、春ウコンと紫ウコンは、クルクミンの含有量は少ないですが、精油成分を多く含んでいるのが特徴です。
海外産ターメリックの特徴
海外でもターメリックを栽培して利用している国は数多くあります。
ターメリックの原産国とされるインドでは、古典の医学書にも止血や鎮静効果がある生薬として記されているほか、美容効果も認められており、現在でもターメリックとレンズ豆・サフランなどを混ぜた化粧品を顔に塗って外出する女性も珍しくないそうです。
そのほか、中国、タイ、マレーシアなどでも古来からターメリックが栽培利用されていて、16世紀にはヨーロッパにも渡っていたという記録が残されています。
現在、日本へは、おもに粉末に加工したターメリックが輸入されています。日本の税関では、法律上はどの種類のウコンであっても「ターメリック」に分類されるそうですが、実際に輸入されている品種は「秋ウコン」が中心です。
国産と海外産ターメリック、どちらを選ぶべき?
それでは、国内産と海外産のターメリックは、どちらを選んだ方が良いのでしょうか?
実は、現在輸入されているターメリックの大部分は、カレーを中心とした食品の原材料として使われています。
これに対し、沖縄を中心とした国産のターメリックは、単独で健康食品やサプリメントに加工されることが多いのが特徴。
これには、
- 沖縄のサンゴからできた石灰質の土壌が高品質なウコンの栽培を可能にしている
- 無農薬栽培などのトレーサビリティがしっかりと確認できる
ことなどが理由となっていると考えられます。
海外産のターメリックは比較的安価ですが、成分や栽培方法などが定かでないことも多いので、健康のためにターメリックを摂るのであれば国産の方がおすすめです。
様々な種類があるウコンですが、それぞれに特徴や効能が大きく異なります。その時々の状況に応じて、用途や目的に合ったウコンを選んでみてはいかがでしょうか。
監修者コメント
記事にもあるように、ターメリックはコレステロールや中性脂肪を減らすことが見込めるスーパーフード。ぜひ使い方をマスターして、いつもの料理にプラスしてみましょう!
1. できた料理に振りかけず、下処理として加熱を
ニンニクやショウガの香りを油に移すタイミングでターメリックも一緒に入れて火にかけましょう!加熱することで香ばしくなり、苦味が減りますよ。
2. 目安量はひと鍋に小さじ1/2-1/3
入れ過ぎると土臭くなり、他の食材の風味が消えてしまいます。
野菜炒めなどでしたら、塩と同量を目安にしましょう。
ターメリックの使い方をマスターして、健康的な食事を取り入れてみてください。
執筆者:星野 未来
ライター / 鍼灸師・CAP(仏エステ国家資格)・CIDESCO(エステSPA国際資格)取得
東洋の医学と西洋の美容を軸に、日本とフランスで鍼灸やエステ、化粧品など様々な分野に従事。
健康・美・多様性をテーマに幅広く活動中。40ヵ国以上訪れた経験あり。